神聖ヰリヤ帝国・TOPへ極上の金髪の持ちぬしであるかれは、敵方のニセ金髪女に見とれる相棒に、なさけ容赦ない。
ここまで意地悪なかれも、はじめて見る。
何が、かれを、そこまでさせた?
「イリヤン日記」#15−ソロはブロンドがお好き?(1)

お待たせ! 今回のテーマは、イリヤの謎の発言「だってブロンド好きなんだろ?」についてです。
その前にまず、♯15『つかの間の生涯の物語』のあらすじをば。

死んだ人間をよみがえらせる血清を、ある博士が発明。かれは〈UNCLE〉に保護を求めてきたが、原因不明の急死をとげる。残されたその血清の処方箋を、〈THRUSH〉一味である女医が入手。
生体実験として、ある有名な女レーサーを射殺したあと、この血清を投与。
たちまちよみがえり、元気まんまんになる彼女。しかし彼女は、なぜか必要以上に体を動かしたがり、車を走らせまくったあげく、まだ若いのに“老衰”で急死。
その血清でよみがえった生命は、自然治癒力を高めたあげく、生命力を燃やし尽くし、一生を数日で燃焼しきってしまう危険なものだった。発明者である博士も、この血清をわが身でためしたあげくの衰弱死だった。・・というのが、話の骨格。

舞台はリヴィエラ。とあるホテルに、血清を発明した博士を訪ねる、ソロとイリヤ
ホテルの前で、露店の花屋と、金髪の女が写真を撮ってる。ソロ、「いい女だ」とふりむく。
ここでイリヤ一言。「ブロンド、お好き?」・・無言で、眉を上げて答えるソロ。
しかしホテルに博士はおらず、ヴェランダから何か重いものをおろした痕と、小さなパーツが見つかる。いつもの雑学で「このパーツはレース用の車のソラノイド・ディスク」と言いあてるイリヤ。
そのあと、ホテルの博士のいた部屋にたまたま泊ってた小学校の女教師をまきこみ、「処方箋のコピーを持ってる」と偽装、わざと〈THRUSH〉の盗聴器にウソの情報流したり、いろいろ工作があり・・。
終盤、よみがえった女レーサーは元気ありあまって練習用コースをとばしまくる。ソロ&イリヤ&女教師3人の乗った車も、はりあってとばすが、とても追いつけない。
ここで2手に別れ、ソロは1人でガレージに隠された処方箋をとりに行き、イリヤ&女教師はコースに枯草の山を積んで、道をふさぐ。
ソロは奮闘するが、〈THRUSH〉の首謀者の女は、金髪のカツラと、変装用マスクを残し、まんまと処方箋をもって逃亡。
かたやイリヤは、女レーサーの車を停めることにようやく成功。だが運転席には、老衰寸前の彼女。イリヤ、あの血清のもたらす効果のおそろしさを、ひとめで悟る・・。

ラストシーン。ホテルの一室、にがい顔でお酒を飲んでるソロ。イリヤ、酒を注いでやりつつ「〈THRUSH〉首謀者も逃がして、処方箋もとりもどせなくて、課長に報告するの、つらそうだね」と、まるで他人ごとのように言っている。うなずくソロ。

そこへ女教師登場。「ま、あの血清は、あんなひどい副作用じゃどうせ実用にならないし」などと、しゃべりはじめる。
ぎょっとした顔になるソロ。イリヤ、思いきり顔を近づけ「ゴメン・・あれ、言わなかったっけ?」「はじめて聞いたよ(-゛-)」とソロ。(ゴメンて言っといて「言わなかったっけ」もないもんだ)
その直後に、問題の、イリヤの謎めいたセリフが発せられる。

「だって・・ブロンド、好きなんだろ?」


ソロ、いきなり立ち上がり上着を脱ぎ、イリヤに殴りかかろうとする。イリヤすかさず応戦のかまえ。女教師「やめてよ!」と止めに入る・・ここでストップ・モーションでEND、なんだが・・。


このイリヤのいじわるっぷり、どう解釈したらいいんだ?
もちろん、いちばんふつうの解釈としては、「敵方の金髪女に見とれてたりするからだよ」って、軽いおしおき。そう考えれば判んなくもない結末ではある。ただしこれには、“イリヤは極上の金髪のもちぬし”って視点が欠けてる。
その“極上の金髪のもちぬし”が、失敗に凹む相棒を見て楽しみ、真相がバレたあと「どうして教えてくれなかったんだ?」という当然の疑問に、例の一言で答えた。
さて、イリヤはなぜこんな言い方をしたのでしょう? 答えはいくつか考えられる。 (つづく)
05.4/23
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