神聖ヰリヤ帝国・TOPへ『ナポレオン・ソロ』ファンなら、毎度おなじみのOP。
ヒビのはいった防弾ガラスの向こうで銃をかまえる、ソロのすがた。
あの映像は、劇場版♯1『罠を張れ』の1シーンからとられたって、ごぞんじでした?
「イリヤン日記」#19−ガラスの国のソロ

TVシリーズ『ナポレオン・ソロ』、OPに毎回登場する、印象的なシーンがある。
ガラスの向こうにスッと現れる人影。ビシッ、ビシッと打ちこまれる銃弾。
腕におぼえあるプロが撃ってるらしく、みごとに左胸、心臓あたりに集中して撃ちこまれるが、間に防弾ガラスがあるらしく、蜘蛛の巣のようなヒビが入るだけ。
カメラがぐっと寄る。上目づかいに、うなずくように、細面のイタリア系の顔だちの男。

この印象的シーンは、劇場版#1『罠を張れ』の、ソロ初登場の場面からとられている。
(TVシリーズのパイロット版として製作されたそうだ)

受付をごまかし、うまく〈UNCLE〉NY本部へ潜入した、敵方の数人。(敵方がこの話だけ、いつもの〈THRUSH〉じゃないが、ややこしいので「敵方」で統一)
警報が鳴り、追いこまれた敵方の男の前方に、ガラスの壁。現れる人影。
あわてて銃弾を撃ちこむ。ガラスにヒビ。
防弾ガラスであることにかれが気づいた次の瞬間、回りこむように相手が横へ移動、敵方の男の前に姿をあらわす。

一瞬、ここにもガラスが? と敵方の男がひるんだ瞬間、相手のほうからも撃つ。
こちらもプロらしく、3発たてつづけ。敵方の男、倒れる。
あざやかな、ソロというキャラクターの、紹介シーンである。
『罠を張れ』の主な内容は、エピソード・ガイドにまかせるとして・・。

この話のヒロインは、敵方の要人の、学生時代の彼女ということで作戦に引っぱりこまれた女性である。じつは彼女はすでに、夫と2人の子持ちの身。
事件解決後、飛行機の機内。
彼女と別れぎわ、ソロは彼女の夫にセーター、2人の子どもにお人形、組立ラジオと、それぞれへのおみやげを手渡し、こまかい気くばりを見せる。

ソロに礼を言い、先に飛行機を降りてゆく彼女。空港には、彼女の夫と子どもたちが、迎えに来ている。
抱きつき、キスをかわし、家族それぞれにおみやげを手渡す、幸せそうな彼女。
それを飛行機の窓から見ているソロ。一瞬、ややさびしそうな顔をする。

そんなソロを、カメラは、やはりガラスの向こうにとらえる。
(次の瞬間にはもう、スチュワーデスを指でちょいちょいと手招き、極上の笑顔を見せてたりするんだけど・・)

生命を守る、ガラスたった1枚の、障壁。
そのガラスは、平凡な幸せ、平和な日常と、かれをへだてるものでもある。
“ソロ”という名からして、気楽な、独身男の遊び人そのものなんだけども。
また、身軽でなければつとまらない、それが諜報部員というものなんだけども。

ガラスの向こうにいるソロは、手を伸ばせば、届きそうに見える。
でも、かれはガラスの向こう側の人。一般人と、諜報部員の間にある“見えない壁に、へだてられて。
そんなガラスに、ヒビを入れることなら、誰にでもできよう。
でも、そのガラスを壊すことはたぶん、誰にもできない・・。

つまり『ナポ・ソロ』OP、“防弾ガラスのヒビ”は、そんなソロの立場の象徴なのかな、と私は思ったんですが、いかが?

(了)
05.4/23
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